Wednesday, March 29, 2017

レンズの修理とオーバーホール

お久しぶりです。今回は表題についてです。
前々からまとめてみたいと思っていました。

レンズやカメラを中古で買っていたりすると、状態が悪いものもよくあったりします。
自分もそういう経験をして何本も修理に出してきました。
気に入ったレンズやカメラをどうしても直したい。そういう人も多いと思います。
特に今はクラシックカメラが流行っていますから。
もう生産されていない物も多く、現存数は増えることはありません。
素人が分解して壊してしまったら元も子もありません。
自分はペンタックスを使用しているので特にペンタックスのカメラ、レンズを修理してくれる所を紹介します。

はじめに断っておきますが、経験談として購入候補のレンズが複数あった場合、
始めから状態が良いものや新品を選んだほうが手間もお金も少なく済みます。

まずはペンタックス関係を紹介します。
埼玉県で展開しているところが多いです。

◆写真レンズ工房さん
言わずと知れた有名所です。
ペンタックス用のレンズ修理で迷ったらここに頼めばまず間違いないです。
(ただし、交換部品などは出払っているようで修理できるレンズは結構限られています)
自分はここで多くのレンズのOHを依頼しています。
K35mm/F2K28mm/F3.5M20mm/F4A16mm/2.8F70-210など。
仕事もとても早く丁寧で、3日ほどでレンズが戻ってきます。
配送があるので修理に実質かかってるのは一日です(すごい!)

しかもOHされたレンズにはチリひとつ入ってません!
意外に思うかもしれませんがレンズをチリひとつない状態までキレイにしてくれる修理業者さんってとても少ないんですよ!
チリのひとつやふたつなんて修理から届いてみたら既に入ってるとか珍しくありませんからね。

修理できないものでも点検はしてくれます。
具体的にはピント等が当時の出荷基準値を満たしているかどうかです。
そういう具体的な比較結果があると安心できますよね。
今はバルサム修理はしていないようです。

◆NSBテクノスさん
レンズとカメラの修理を請け負ってます。
MFレンズとAFレンズの両方のOHを依頼したことがあります。
ここではK28mm/F2をOHしていただきました。(FA 24-90も)
写真工房さんでは修理不可のペンタックス用レンズも修理してくれます。
特にAFレンズのOHが得意なようです。
カメラボディに合わせたレンズの調整もしてくれます。
また使用感をフィードバックした再調整にも快く応じてくれ、とても信頼できる良い業者さんです。
修理期間は一週間ぐらい。

◆工房52(アトリエコニー)さん
知る人ぞ知る修理業者さんです。
ペンタックス用のカメラとレンズの他にブロニカの修理もやっています。
腕は確かで写真レンズ工房さんに匹敵すると思います。
どうしても直したいレンズがある場合に相談できる最後の砦みたいな所です。
かしめたレンズも分解修理できるそうです。しかもバルサム修理も請け負ってくれます!
予備で持っていたK20mm/F4のバルサム修理でお世話になりました。
(K28mm/F2等貴重なレンズもOHしてくれます)
修理期間は数ヶ月~半年ぐらい。

◆カメラサービス鹿児島さん
カメラボディPENTAX MXのOHでお世話になりました。
修理内容はストロボ発光端子の故障でしたがついでに全OHをお願いしました。
メールで修理を依頼しましたが丁寧に対応していただきました。
戻ってきてから巻き上げの感触なども良くなり快調です。
ですがせっかく直して頂いたMXちゃんをあまり持ち出せていません…。
修理期間は二ヶ月ぐらい。

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ここまでがペンタックス関係の修理業者さんの紹介です。

それ以外の修理業者さんは以下のようになってます。

◆関東カメラサービスさん
レンズバルサム修理をしてくれます。
初めてレンズのクモリを修理した時にお世話になったところです。
自分はK20mm/F4の中玉のバルサム修理を依頼しました。
何件も修理を断られましたがここだけは請け負ってくれました。
はじめはバルサムの再貼り合わせで描写がどうなるのか不安でした。
結果はキレイに修理して頂き、写りも見違えるように良くなりました。
レンズの研磨もしてくれますが、前玉と後玉の研磨はピント精度への影響が大きいため断っているそうです。
修理期間は三ヶ月ぐらい。

◆山崎光学写真レンズ研究所さん
ここも有名所ですね。
レンズの研磨と更に再コーティングをしてくれます。
出来るのはモノコートのみです。
K28mm/F2のレンズ研磨でお世話になりました。
今は先代ではなく二代目の息子さんがレンズ研磨をしているようで、
今は手ではなく機械で磨いています。
注意点は光学屋さんなので絞りの粘りなどメカ系統の不具合は修理してくれません。
光学レンズのみの修理になります。
研磨のあとは別ところでOHで組み直してもらうと安心です。
修理期間は二週間ぐらい。
ただし頼んだ全てのレンズが復調するとは限りません。
研磨前のほうがまだマシだったのに…なんて後悔もしました。
(そのレンズは自分でニコイチして復調させました)
研磨は最終手段です。費用も安くないですしね。
やったとしても元通りにならないと思ったほうが良いです。
よく修理してるズマロンなどなら頼んでも良いかもしれません。

◆日本レンズ協会さん
レンズの修理台帳の数は圧巻で、たくさんの修理実績があります。
AT-X 400mm/F5.6の修理でお世話になりました。
修理前に検査装置でレンズの状態を見てもらえます。
修理の様子などを適宜連絡してくださるので安心できます。
届いたレンズももちろんカビは全部除去されきれいになってます。
修理台帳を覗いてみて修理実績のあるレンズならココに頼んでみると良いと思います。
修理期間は一週間ぐらい。

◆最後に…修理に出す前に注意したいこと
まず、古いレンズとカメラを修理に出しても直るとは限りません。
交換部品がなかったり機構も複雑で分解を考えられてないものもあります。
実際、僕も最終的に修理不能で手放したレンズが何個もあります。

あと修理を依頼するとまずレンズ、カメラの状態を見て修理する必要があるか、出来るかどうかを見積もりで判断されます。
この時、状態を見るために分解されることがあります。
つまり未修理で戻ってきたとしても送る前の元のままでないということがありえます。
なのではじめに修理を依頼する業者さん選びはとても"大事"です…。
他社分解品の修理を断ってるところもありますしね。

修理を断られる理由としては以下のものがあります。
一つは殆ど写りに影響がない程度の汚れであった場合です。
もう一つはレンズの状態や構造の問題で、最後は業者さんの都合です。

殆ど写りに影響がない程度の汚れであった場合、わざわざ分解するよりもそのまま使ったほうが安牌だと判断されます。
メーカーを問わず修理を請け負う業者さんはこう判断することが多いような印象を持ってます。
カメラやレンズのサービスマニュアルも完備されてないと思いますし、組み立てで元の状態に戻せるとも限りませんし…。
メーカーによって分解・組み立てに必要な工具や設備は違いますし、全部揃えるのは無理だと思います…。

以上になります。困っている方のレンズ修理に少しでもお役に立てればと思います。
ではまた。

Monday, March 6, 2017

Takumar 200mm F3.5

間違えて記事を削除してしまったので再投稿します…。
モノコートのタクマー200mm F3.5です。


当時では後から出たタクマー200mmF4より写りが良いとされていたようでしばらくカタログに残っていたようです。
200mmのレンズはこの後、光学系がそのままでKマウント化されしばらくして、
PENTAX-M 200mmF4でやっと光学系が更新されます。
その時はKマウント版PENTAX 200mmF4のほうがMより性能がいいとか言われたとか…
てことはこのタクマーが一番性能が良いんでは…?とか思ったりもしなくもないです。

プリセット絞りなのできれいな円形絞りです。
後継レンズよりもボケが良かったので評価されていたのかもしれません


流石に古すぎてヘリコイドグリスが腐ってたりしてヘリコイドが固くなってる個体が多いような気がします。

■写り
今回はK-3で撮影したものです。
_IMG2277Piled up pipesCrow on the pipeCrow on the pipe 2
結構収差がでます。
現像ではパープルフリンジだけ取っていますが他にも盛り沢山出てます。
_IMG2250_IMG2244
左はちょっと彩度とコントラストを上げすぎて不自然かな?
モノコートなので色乗りはあんまり良くありません。
さらに高画素機のK-3なので現像が難しい…。
_IMG2259_IMG2260
たまたま居合わせた野鳥です。カワウって鳥らしいです。
害鳥扱いみたいですね。