Friday, September 18, 2020

AmazonベーシックのUV保護フィルターは買ってはいけない


未開封品がたまたま安く手に入ったので見てみます。外箱は見るからに中国製を醸し出しています。
 

フィルター本体はガラス面の反射が白い。K&F Consept製フィルターと比べると一目瞭然です。どうやらコーティング加工がされていないようです。
 
Amazonレビューにもただの素通しガラスと書かれていたりします。UV保護なんて嘘っぱちです。このフィルターは買ってはいけません。ガラス部分を外してただの保護枠として使います。

Sunday, September 13, 2020

タムロンの交換式マウント(アダプトマチック)


タムロンはアダプトールを考案する前のわずか数年の間アダプトマチックという交換式マウントを採用していました。
参考サイト①

アダプトマチック

アダプトマチックはタムロンがTマウントの次に考案した自動絞り対応の交換式マウントです。Tマウントと互換性はありません。マウント部分と、絞り値伝達用のカップラー、固定用のねじ込み式リングの3つで構成されていました。ねじ込み式リングは必ずしも分離するわけではなくSRマウントなどはマウント部分と一体化しています。

取り付け方法

①絞り値伝達用のカップラーを絞りリングの穴に合わせて取り付ける↓
②リングのネジを締めて固定する
③レンズ側の絞り伝達用金具を奥側へ移動する

④マウントを装着してレンズ本体の切り欠き部に位置合わせする

⑤固定用のねじ込み式リングをマウントの上に装着してねじ込む

⑥終了

↓説明書

アダプトマチックのバージョン
アダプトマチックは製造期間が短いながら何度か改良が加えられていました。
大きく分けて3回の仕様変更があったようです。

初期型:金属製のフォーカスリング、絞り環は光沢処理されている
中期型:絞り環の大型化と表面処理を梨地に変更カップラー位置合わせ用の穴を追加(赤丸)。初期型に中期型以降のカップラーを取り付けるにはカップラー側の加工が必要です。

後期型:フォーカスリングをゴムローレットに変更
・同レンズの前期型と後期型の比較
M42マウントアダプターはカップラーを使わないのですべてのレンズに取り付けることが可能です。

まとめ
アダプトマチックはバージョン違いがありアダプターに組み合わせが発生しています。アダプトールと比べて部品点数が多くマウントの交換に時間がかかります。アダプター部の伝達機構がむき出しになっているため、取り扱いに注意が必要です。
現存数が少ないためマウントを収集するのが大変だと思われます。


Saturday, September 12, 2020

シグマとサンの交換式マウント(YSマウント)

 交換式マウントはタムロンのアダプトールが有名ですが、シグマとサンもYSマウントという交換式マウントを採用していました。
参考サイト①
参考サイト②

YSマウント(ヤマキ・システム)
シグマやサンのYSシリーズ、SIGMA-XQシリーズ(初期)、SIGMA-Zシリーズ(一部?)のレンズに採用されていました。
     
タムロンが考案したTマウント(T2マウント)をベースとしてシグマが自動絞り機構と絞り値の伝達機構を追加したものです。YSとはヤマキシステムとのことでヤマキはシグマ創始者の名字なんだとか。Tマウントの派生なのに創始者の名前を付けるなんて図々しいというか…すごいですね。自動絞りはレンズ側にM42マウントのような押しピンを追加することで対応していました。絞りの伝達は金具を絞りリングにネジ止めしてアダプター部へ伝達できるようにすることで対応しています。金具は共通ではなく、マウントごとに微妙に形が違うものが用意されていました。下のようにNikon Fなどは専用にカニ爪の金具が用意されていたり、金具が一体化したタイプのアダプターもあります。
   
また金具取り付けのためのネジ穴も途中で数が追加されたようで初期のレンズには一部の金具(T字型の金具)に対応していないものもあります。


Tマウントとの互換性
取付部はTマウントと同じピッチのねじ込み式なのでTマウントアダプターを取り付けることも出来ます。
ごく初期のレンズはAUTO・MANUAL切替スイッチがあったのでTマウントアダプターでも絞り動作に支障はありませんでした。
   
しかし途中で切替スイッチは廃止され、Tマウントアダプターでは開放絞りでしか使えなくなりました。Tマウントアダプターで絞り込みたい場合は、下写真の青丸内の押しピンを押し込んだ状態に固定する必要があります。


YSマウントの取り付け方法
①マウントアダプターのイモネジが緩んでいないことを確認する(3箇所)
②マウントアダプターをレンズにしっかりねじ込む
③マウントアダプターのイモネジを緩める(3箇所)
④アダプターとレンズの指標を同じ位置に合わせイモネジを締める(3箇所)
※①~④まではTマウントレンズへTマウントアダプターを取り付ける方法と全く同じ
⑤絞り値伝達用の金具を取り付けネジ止めする
    
⑥絞りリングが最小~最大絞りまで問題なく回ることを確認する
⑦絞りリングの作動に問題がある場合は⑤に戻りT型金具のネジを緩めて位置を微調整する
⑧終了

YSマウントアダプターの注意点
YSマウントアダプターはシグマとサンで共通化せずに別々で製造していました。同じマウントでも製造時期や製造メーカーで機能に差があることがあります。Kマウント(シグマ製)は絞り指標が追加されており、ファインダーの絞り値表示に対応していました。
   
M42マウント用では初期のサン製は絞りリングより一回り径が小さく作られています。
サン製YSマウントレンズにはYSと明記されていないものも存在します(AUTO LENTAR、SAMIGONなど)。
これらのレンズは絞りリングの外周にリブが追加されており、YSマウントが最後までねじ込めなくなっています。
例外としてリブより径が小さいYSマウントは取り付けられます。
   

使い勝手
アダプター部と絞り環がツライチになっているため絞りの操作がしづらいです。メーカーも把握していたようで下記のように指を引っ掛けて操作するための補助パーツが用意されていました。
  


まとめ
YS交換式マウントはTマウントをベースにした原始的な方式であり、機構が洗練されていませんでした。また、マウント取り付けにもネジ止めが多く、更に微調整が必要で手間がかかりました。
絞り制御に使われる押しピンの伝達構造に問題を抱えており、絞り不良の個体が多くあります。(オーバーホールしても完全に粘りが取れないこともあります)
YSマウントアダプターが手に入らない場合はTマウントアダプターで代用することが可能ですが、絞り込むにはピンを押し込む加工が必要です。


Friday, September 11, 2020

トキナーの交換式マウント(T4、TXマウント)

交換式マウントはタムロンのアダプトールが有名ですが、トキナーも一時期、交換式マウントを採用していました。
備忘録としてここにまとめておきます。トキナーの交換式マウントは下記のように遷移していったようです。

Tマウント(T2マウント)

ネオマチックマウント(TKマウント)、T-4マウント(AUマウント)

TXマウント

以下、各マウント方式についての詳細になります。

Tマウント(T2マウント)
初期のLucky-Tokina、Tele-Tokinaなどレンズに採用されていたねじ込み式のマウントです。自動絞りには非対応でこれが採用されたレンズはプリセット絞りになります。元々はタムロンが考案した物で当時メーカー問わず広く採用されていたようです。今でも天体望遠鏡などに使われているおり、ケンコーから新品のアダプターを購入できます。

ネオマチックマウント(TKマウント)
Auto Tokinaなどの時代に採用されていたものです。絞り伝達ピンを追加して開放測光、自動絞りに対応し、T2マウントとの互換性はありません。装着はリングを使用したねじ込みロック式(スピゴットマウント?)ですが後述するT4マウントと構造に共通点が多くみられます。レンズ側の[LO]の上部分にある銀色のリングを回して脱着します。緑のLがロック(Lock)方向、赤色のOがオープン(Open)方向になります。

T-4マウント(AUマウント)

トキナーがVivitarやSoligorにOEMしたレンズで採用されていた交換式マウントです。前述のネオマチックをブリーチロック(バヨネット?)を使用したロックに変更し、開放測光、自動絞りに対応していました。レンズ側の[LO]部分にある銀色のピンを押し込んだ状態でリングを回して脱着します。緑のLがロック方向、赤色のOがオープン方向になります。

TXウント
T4マウントに更に連動機能を追加して対応マウント増加と自動露出に対応したものです。トキナーのTXシリーズの他にVivitarレンズに存在しているようです。

T4とTXの互換性について
T4とTXは伝達ピンの位置関係が微妙に異なるため互換性は限られています。T4マウントはTXと比べて青枠のように可動範囲が狭くなっています。

・T4レンズ+TXマウントアダプター
TXマウントでも正常に動作するものはあります。

左下青丸部のピンが固定、かつ、⇑マーク部の連動ピンの可動範囲が左まであるものは、
T4レンズに取り付けても絞りの連動も可能でした(Nikon Fマウント用)。
赤丸のように左下のピンが固定でないもの、⇑マーク部の連動ピンの可動範囲が狭い物も物理的に取り付けることは可能です。ただし、絞りリングが解放で固定になるなどの制限があります(Kマウント、M42用)。デジカメで絞りの連動がいらない場合はマウントアダプター側を分解し、絞り連動機構を取り外せば実絞りとして使用することは出来ます。

・TXレンズ+T4マウントアダプター
取り付けることは可能なようですが、連動機能もT4準拠になるようです。SoligorにTXレンズは供給されなかったようです。T4マウントアダプターがほしい場合はソリゴール銘の物を探すと良さそうです。Vivitar銘は逆にTXタイプのアダプターが多数です。

TXマウントの取り付け方法

まとめ
トキナーの交換式マウントの取り付けはネジは必要ないものの、ピンの位置関係を気にする必要があり、互換性もいまいちでした。また、交換機構部、特にブリーチロック部分の幅が大きく、ピントリングなど操作部のスペースが先端側へ追いやられた結果、使い勝手が悪いなどレンズの設計にも影響が出ていました。
参考↓:
Vivitar WIDE-ANGLE 21mm f3.8 

国内の現存数が少なく、狙ったマウントのアダプターを集めるのは困難です。