交換式マウントはタムロンのアダプトールが有名ですが、トキナーも一時期、交換式マウントを採用していました。
備忘録としてここにまとめておきます。トキナーの交換式マウントは下記のように遷移していったようです。
Tマウント(T2マウント)
↓
ネオマチックマウント(TKマウント)、T-4マウント(AUマウント)
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TXマウント
以下、各マウント方式についての詳細になります。
Tマウント(T2マウント)
初期のLucky-Tokina、Tele-Tokinaなどレンズに採用されていたねじ込み式のマウントです。自動絞りには非対応でこれが採用されたレンズはプリセット絞りになります。元々はタムロンが考案した物で当時メーカー問わず広く採用されていたようです。今でも天体望遠鏡などに使われているおり、ケンコーから新品のアダプターを購入できます。
ネオマチックマウント(TKマウント)
Auto Tokinaなどの時代に採用されていたものです。絞り伝達ピンを追加して開放測光、自動絞りに対応し、T2マウントとの互換性はありません。装着はリングを使用したねじ込みロック式(スピゴットマウント?)ですが後述するT4マウントと構造に共通点が多くみられます。レンズ側の[L⇔O]の上部分にある銀色のリングを回して脱着します。緑のLがロック(Lock)方向、赤色のOがオープン(Open)方向になります。
T-4マウント(AUマウント)
トキナーがVivitarやSoligorにOEMしたレンズで採用されていた交換式マウントです。前述のネオマチックをブリーチロック(バヨネット?)を使用したロックに変更し、開放測光、自動絞りに対応していました。レンズ側の[
L⇔
O]部分にある銀色のピンを押し込んだ状態でリングを回して脱着します。緑のLがロック方向、赤色のOがオープン方向になります。
TXマウント
T4マウントに更に連動機能を追加して対応マウント増加と自動露出に対応したものです。トキナーのTXシリーズの他にVivitarレンズに存在しているようです。
T4とTXの互換性について
T4とTXは伝達ピンの位置関係が微妙に異なるため互換性は限られています。T4マウントはTXと比べて青枠のように可動範囲が狭くなっています。
・T4レンズ+TXマウントアダプター
TXマウントでも正常に動作するものはあります。
左下青丸部のピンが固定、かつ、⇑マーク部の連動ピンの可動範囲が左まであるものは、
T4レンズに取り付けても絞りの連動も可能でした(Nikon Fマウント用)。
赤丸のように左下のピンが固定でないもの、⇑マーク部の連動ピンの可動範囲が狭い物も物理的に取り付けることは可能です。ただし、絞りリングが解放で固定になるなどの制限があります(Kマウント、M42用)。デジカメで絞りの連動がいらない場合はマウントアダプター側を分解し、絞り連動機構を取り外せば実絞りとして使用することは出来ます。
・TXレンズ+T4マウントアダプター
取り付けることは可能なようですが、連動機能もT4準拠になるようです。SoligorにTXレンズは供給されなかったようです。T4マウントアダプターがほしい場合はソリゴール銘の物を探すと良さそうです。Vivitar銘は逆にTXタイプのアダプターが多数です。
TXマウントの取り付け方法
まとめ
トキナーの交換式マウントの取り付けはネジは必要ないものの、ピンの位置関係を気にする必要があり、互換性もいまいちでした。また、交換機構部、特にブリーチロック部分の幅が大きく、ピントリングなど操作部のスペースが先端側へ追いやられた結果、使い勝手が悪いなどレンズの設計にも影響が出ていました。
参考↓:
Vivitar WIDE-ANGLE 21mm f3.8
国内の現存数が少なく、狙ったマウントのアダプターを集めるのは困難です。