Monday, September 19, 2016

広角レンズのクモリとその影響

経験上広角になればなるほどクモリの影響は大きく出ます。
健忘録としてクモリの影響で写真がどうなるのかまとめてみます。

今回は中玉が曇ったRMC Tokina 17mm F3.5で撮影したもの


程度はファインダーを覗いた時点で白っぽいのでなかなか悪い状態だと思います。
色々なシチュエーションで撮ってみました。
すべてK-1の雅設定で撮って出しのJPGです。

■明るさによる変化
日陰から撮った場合はそこそこな写りに



日向から撮るとコントラストが低く、白く濁ったような写真になります。
ゴーストはもともと出やすいレンズです。



■絞りによる変化
左が開放、右がF8まで絞った時


思ったより写りますがファインダーを除くのが気持ち悪いので精神衛生上は良くないですね。
このレンズは曇ってますが、Tamron SP 17mm F3.5(151B)より開放からしっかりと写ってます。

こちらは自分で現像してみたものです。
撮って出しよりは見れるようにはなったかな…?
彩度、コントラスト、明度を弄って最後にフリンジを消しただけです…。
よく見るとちょっと歪みがありますね。


前に50mmぐらいのクモった標準レンズを手に入れたことがありますが、この広角レンズほどは影響を感じませんでした。
望遠より広角のほうがクモリの影響を受け易いんでしょうか?

Friday, September 9, 2016

Pioneer SE-700

ハイポリマー型のヘッドホンです。
コンデンサー型と同様に薄い振動膜をもっているようですが…。

デザインが最高にかっこ良いです。
こういった工業的デザインは大好きです。
数が少ない割に人気がないのかオークションで出てきても一万以下で落ちたりします。
状態が良くないものが多いからでしょうね(後述)

ハウジング外側とヘッドバンドはステンレスで作られいるようです。
素晴らしいデザインですが、ヘッドバンドとパッドが合皮製になっています。
そのため合皮が劣化しやすく例外なく外見を損ねたひどい状態になっています。
自分はヘッドバンドは合皮隠しに暫定で、ストッキング状の伸びる布を、
上から被せて目立たないようにしています。
時間があるときに本革を貼り直したいです。
この合皮さえ本革で作っていれば作りはかなり良くなったと思います。


■説明書

■音質
正直に話すと音なんかどうでもよくてデザインだけで手に入れました。
音はスピーカーで聴いているような音です。乾いた音です。
若干のかまぼこ、ほんの少しこもりもあります。
時代は感じますが解像度も悪くなく僕はなかなかの音だと思います。
ライブ音源とか聴くとかなりハマると思います。
ただし音量がめちゃくちゃ取りづらいです。
かなり高出力が必要です。アンプは必須です。
しかも半端なアンプではまともに鳴らせません。
持ってるヘッドホンの中ではピカイチで音量が取りづらいです。
あとは、アンプとの相性があります。
相性が悪いとノイズが入ったり音が安定しなくてうまくドライブできません。

パッドが硬くなってるので長時間つけてると耳が痛くなります。
パッドは両面テープで固定されてるだけなのでサイズが合えば簡単に交換できます。

ご老齢で接触が悪くなっているためかたまに左右どちらかの音が出づらくなっています。
しばらく鳴らしてると治りまが、ウォームアップ中は振動膜がポコポコなったりします。
おじいちゃんなので状態を維持するには定期的に鳴らしてあげるのが良さそうです。
僕は1989年生まれなのでヘッドホンの方がかなり年上です。

<2017/04/20>
■ジャンクSE-700の分解
ヤフオクで予備として手に入れたものが正常動作しなかったので分解してみました。
結果としては症状は改善しませんでしたが記録として残しておきます。

①ハウジングの構造と分解
このヘッドホン、分解が考えられてません。
分解するには金属製の◎状のリングを外す必要があります。
リングは外すのにコツがいります。ゴム系の接着剤で強力に接着されているからです。
無理に分解しようとするとリングが変形して二度と元に戻らなくなります。

外した状態が左図です。右図が外したリングです。
さらに対角線状にあるネジ4本を外すと振動膜にアクセスできます。
(既に2本外しています)
ゴム系の接着剤は温めると剥離しやすくなるのでドライヤーを当てる方法もあります。
ですが、ハウジングのすぐ近くに薄い振動膜があるので熱風を当てるのは自己責任で。
右図に一緒に写ってるメッシュ部分は外さなくても大丈夫です。
同じように接着剤で固定されてます。
メッシュの下には紙っぽい繊維状のフィルターが入っています。

②振動膜
振動膜へアクセスします。
ネジを外してカバーを取るとすぐに振動膜が現れます。
振動膜の上にスポンジが張り付いています。
厳密な接着はされていないようでゆっくり引っ張ると剥がれます。

振動膜への配線ははんだ付けされていません。
下に見えるネジ二本で固定されているだけです。
薄い振動膜は熱に弱いのでこの部分ははんだ付けが使えなかったのでしょうね。
構造上経年で接触が悪くなると思います。振動膜も少したるんでます。
ここの接触が調子が悪い原因かと思いましたが磨き直しても改善しませんでした。
振動膜内部で劣化が進んでいるようです。

③パッドの取り外し
続いてパッドです。パッドは両面テープで固定されています。
この時代のヘッドホンは両面テープで固定されたものが多いです。

パッドを外した状態がこちら、パッド側はなにもないので分解時に弄る必要はありません。
耳に当たるであろう金属のプレートが錆びています。
蒸れて湿気やすい上に、汗に含まれる塩分で錆びやすいのでしょう。
パッドは加水分解して表皮が剥がれています。
表皮の下の布は結構しっかりしていますがクッション性はだいぶ失われています。
繊維の色は紫がかった紺色です。

③ヘッドバンドの表皮
ヘッドバンドの表皮も経年でかなり劣化しています。
この機種の弱点で、人気がない理由とも思われます。

器用な人は張り替えると良いです。
Head-Fiでも張り替えてる人が居ます。
自分も張り替えたいのですが、なかなかやる気が起きません。

これ以上は分解するともとに戻らないので、ここまでになります。
参考にでもなれば…ではまた。



Pioneer SE-15

バリアブルチェンバー型で型番的にはSE-11の上位機種です。
ハウジングはパッド側内部が金属製、外側はヒケが見られますしおそらくプラにメッキをしたもの
(写真三枚目をみてください。よく見ると色合いが違います)
純正パッドがダメになっていたので交換しましたが音のヌケが悪くイマイチです。
純正パッドは裏側に幾つか穴が開いていて音がこもらないような作りになっています。
パッドは両面テープで固定されてるだけなのでサイズが合えば簡単に交換できます。




■SE-11との比較

音はSE-11の方がダイナミックレンジも広く良い音のような気がする。
(古いヘッドホンは経年によって鳴り方に差が出るので参考にならないかも)
SE-11も二台持っていましたが同じモデルでもかなり音に差がありました。
SE-15は部品の多くをSE-9のものを共用しています。
SE-11の方がヘッドバンドや外装に専用部品が多く、力を入れて開発されているような気がします。
プラグは当時の上位機種らしく金メッキされています。
パッドのサイズは共通ではなく、SE-11の方が大きいです。
このヘッドホンも上位機種が音が良いとは限らないパターンですかね?

Victor HP-D70

全面駆動、ダイナフラット型
D50の上位モデル
ドライバーの大きさが違います。
ハウジングは削りだしアルミで高級感のある作り
ヘッドバンドとパッドは形状は異なるが下位と同じ合皮製

これより更に上位のD90がありますが何が違うのでしょうね?
見た目では色とプラグが金メッキされてるぐらいにしか違いがわかりません。
ドライバーが更に大きいのでしょうか?
D90は一度オークションで出てたことがありますが高すぎて諦めました。
(5万以上になってた覚えがあります)
 



コードは編み込んだ布製、この時代のハイエンドは布製コードが多いですね。
プラグは飾りっ気のない汎用のもの。
ヘッドバンドは広げると根本のR、Lとロゴが書いてあるプラ部分がミシミシいうので若干強度に不安を感じる。
頭のでかい人は要注意かも。


■音質
D50から順当にダイナミックレンジを広げた音、しかしきらびやかさは下位機種に譲る。
音はバランスが取れていて高音は刺さらないのでD50より聴き疲れはしにくい。
僅かに高音よりで艶はあまりなく乾いた音。
解像度はそこそこ、レンジの広さはダイナフラット型のおかげか。
D50、D70はダイナミック型とコンデンサー型の双方の良いトコ取り…
とのことですが、流石に解像度と反応性の良さはコンデンサー型に譲ります。
割りと優等生型でしょうか。音圧は良い感じです。
D50より音の情報量が増えたせいか、曲によっては雑味を感じることがあります。

Pioneer SE-11 (Eleven)

パイオニアのバリアブルチェンバー型です。
ヘッドバンドは珍しく本革製で専用部品も多く、上位のSE-15より作りが良いことから力を入れて開発されたことがわかります。
パッドは両面テープで固定されてるだけなのでサイズが合えば簡単に交換できます。



■パッケージ


■音質
ポタプロのような濃厚な音で解像度もそこまで高くなく原音忠実性はあまりありません。
低音はどぅんどぅんというような感じで制動感はないが聴いていて楽しくなる音です。
よく売れたようで数も多く安く手に入ります。
デザインだけでなく、音に魅力のある機種でおすすめです。
内部のバリアブルチェンバーが非常に薄いので内部で形が崩れているものが多いです。

昔のパイオニアのヘッドホンはデザインが優れたものが多いですね。
まさに先駆者です

Victor HP-D50

全面駆動、ダイナフラット型では中級ぐらいのモデルです。
まぁまぁ数は出てるようでたまに出品されてます。

■ヘッドホン本体


コードはビニール皮膜です。ダイナフラットの磁石が重いので思ったより重量があります。

ヘッドバンドとイヤパッドが合皮なため劣化しやすい。
合皮カバーに隠れたヘッドバンドのサビにも注意です。
意外と気づきませんが結構な割合で錆びてます。


ハウジングの金属部には変な模様が印刷されている。
貝殻が擦れたような柄ですね。はじめは傷かと思っちゃいました。


■音質
きらびやかな音。
上位機種のD50はレンジが広いがきらびやかさはこちらのほうが良い。
上位が一概に全て良いとは言えないです。
ダイナミックレンジは少し狭い。