Friday, August 12, 2016

SOLIGOR WIDE-AUTO 28mm F2.8の謎

■入手経緯
中古で入手。いろんな銘柄で売られていたレンズのようですね。これは有名なソリゴール銘です。
こちらはフィルター径が62mm、絞り羽根が6枚のものになります。
この個体で面白いのは絞りリングの回転方向が右回しで開放になることです。
 
前から覗くと気泡とかカビかどうかわからないような変な汚れがあったり、
あんまりきれいな状態じゃありません。
特に気泡なんかは古い時代を感じさせるレンズです。
→OHしてもらいました。気泡ではなく、レンズの汚れでした
OH後もあまり写りに変化はあまりありませんでした。
汚れって思ったより案外影響しないものなのかも?

↓OHした後のレンズ

ソリゴール銘では135mm/1.5やズームのミラーレンズなど実験的なものがたくさんあるので面白いです。

■WIDE-AUTO 28mm F2.8の謎
ソリゴール製のWIDE-AUTO 28mm F2.8は様々なバリエーションがあります。
年代によって供給元が違うらしいです。
フィルター径と絞りの数、そして前玉の大きさをみると比較しやすいです。
今回のレンズは手に入れた時にSUN製のフロントキャップが付属していました。
SUNから供給を受けてた時期もあるみたいなのでこいつはSUN製なのでしょうか?
今回のレンズがどこ製なのか気になって調べてみましたが、断定できてません。

現在、以下のものはレンズ内部が酷似しており、
今回のレンズと同じ光学系、もしくは親戚・兄弟の関係にあると踏んでいます。
・AUTO CHINON 28mm F2.8
・AUTO ARAGON 28mm f2.8
・Argus Cintar 28mm F2.8
・COATED SUPER ALBINAR AUTO 28mm F2.8
・PRINZFLEX 28mm f2.8
・Elicar Automatic 28mm
・AVANAR 28mm F2.8
・SIGMA YS 28mm F2.8

見た目は様々なので光学ガラスだけ供給を受けてたんでしょうか?
上の中でCHINONは富岡光学からレンズの供給を受けていたことがあるみたいです。
ネットやオークションでやたら富岡光学製と謳われてるレンズがありますが、
全部が全部そうなのかかなり疑わしいですし断定はしたくないですね。
ここにも似た構造のレンズが大量に有ると書いてありますね。
そういえばTakumar 28mm F3.5の初期型も構造が似てますね。
この辺の時代ってみんなほぼ同じ構成を取っていたんですかね…。

ソリゴールの28mmはフィルター径58mm、絞り羽根8枚のタイプが人気があるようです。
フィルター径58mmのタイプはおそらくトキナー製で、
リコーのAUTO RIKENONやシアーズのAUTO SEARSにもOEMされています。
フィルター径62mmのものがトキナー製と光学系が同じかどうかは不明ですが、
最短撮影可能距離も絞り羽根も違うので別光学系と見た方が良さそうです。
トキナー製は25mmまで寄れますが、今回のは40mmまでしか寄れません。
逆にトキナーの最小絞りはF16でこちらはF22まであります。

■写り
モノクロ時代のレンズなのでカラーバランスはあんまりよくないです。
寒色系で彩度を上げると青被りしちゃうので調整が難しい…。
カメラと相性が出そうです。特に高画素機とは相性が悪そう。
コントラストが弱いです。
開放だともやがかかったような幻想的な写りをします(一枚目)。
一段絞ると一気に印象が変わります(二枚目以降)。面白いレンズです。
絞り込んだ場合、線は細く繊細な写りになります。


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